アニメ大国の肖像―大塚康生氏(その3)
中日新聞2006/5/25掲載
大塚康生氏へのインタビュー最終回。5月25日付のものです。
「いいアニメーションとは」「日米アニメの違い」「原作漫画からのアニメ化」などについて、短いインタビューの中で答えてらっしゃいます。

特に「リアルとはなんぞや」という部分で、アニメならではのデフォルメと想像力を加えることで「リアル」に見せるということはなるほどなぁと唸らされました。



コナンの身のこなしや五右ェ門も刀さばきが脳裏に焼きついているのは「リアル」だからだ。だが、今の日本アニメは逆を向いている。

大塚:お茶の飲み方でも、熱いお茶なら茶碗の端をつまんで口を近づけるし、酔っ払いなら茶碗をわしづかみにする。こんなふうに各場面でキャラクターがどんな動きをするのかを想像するのが楽しい。若いアニメーターにも「何も想像しないで描くのはよくないよ」と言ってます。だけど、この前見たアニメの吹雪のシーンでは、風に向かって話しながら歩いてくる二人がずっと前を向いたままなんです。コートで顔を覆えばリアルなのに・・・。(抜粋)
普通にこの状態で話していたら、雪入って来るわ口カラカラになるわで大変ですわね(笑)別にディズニーアニメのような緻密なリアルさでなくても、ちょっとした演出や動きひとつで「リアル」さって滲み出てくるもんなんですよね。

ちょっと脱線するんですが、これを読んでふと思い出したのが最近のドラマ。やけに照明が明るくて演者の顔が奥までハッキリなんてことも。画面全体のっぺりした感じが否めない。現代劇ならまぁまだしもコレが時代劇ものとなるとどうもしっくり来ない。「役者の顔はハッキリとみせないといけない」と決まりがあるのか分からないんですが、昔風の暗い照明だと苦情(表情がよく見えない!等)が多く寄せられるそう。もしかしてアニメにもそんなファンのために「主役たちの顔は極力隠さないように」なんてお達しがあったりして・・・なんて思ってしまいました^^;

私が日頃ちょっと苦手だなぁと思っているのに、近年のアニメならではの影のつけ方、というものがあるんですがそのことにも言及されてました。
〜略〜近ごろは複雑に影をつけた作品を作っているけど、線が多くなった分、歩合制のアニメーターは枚数が描けず貧乏になった。「ドラえもん」などキャラクターの形が単純な作品はともかく、複雑化には未来がない。絵を描く人がいないのだから。
アニメの絵柄にも流行り廃りがあると思うんですが、体型ももちろん影の付け方なんて顕著に変わってますよね。たま〜に旧ルを模写しようと思ってビデオを見ると、影が全然なくってビックリします(笑)想像以上にない。
私自身描く時はそりゃ〜好みで好きな感じで付けてますけれど、アニメーターは指定されたらやるしかないんでしょうが。手描きだった時代と能率化された現代でも手間は似たようなものだと言われると、なんともご苦労様ですというべきか、絵柄の美しさの探求の末致し方ないことなのか・・・。

原作(漫画)付きのアニメなんかは特に元の絵(の再現)との兼ね合いもあったり、「絵」そのものに対する要求の度合いは、現在は相当高くなってるんだろうなぁと想像に難くないですからね。以前大塚さんに祭でインタビューさせてもらったときも、各シリーズや作監さんでテイストの変わった「ルパン三世」と言うアニメ作品の稀有性をしみじみ感じましたから。
しかしそれを「動き」の面から見てみると、大塚さんはこう憂いている。

―"アニメーションは終わりつつある"のかもしれない  と・・・

動いてナンボのアニメより止め絵の美しさで見せることの多いアニメが主流になってきたという昨今。
アニメーターだけでなく、アニメファンそのものの嗜好の変化も含めて「アニメーションって」と考えさせられてしまいました。
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